FXやソーシャルレンディングの口座開設をする条件に、”日本国内在住”という項目をよく目にします。海外に住んでいる人は基本的に、投資家登録および口座開設、お取引などができませんよ!という事ですね。
しかし、ダメ!と言われても・・・
「非居住者でも利用できるソーシャルレンディングサービスや、利用するための抜け道はないかな?」
「なぜ海外在住だと登録できないのか?」
という疑問がでてきますよね。この記事では、こんな疑問に対して、僕自身が調べた内容で回答します。
非居住者および海外在住者がソーシャルレンディングを利用できない理由と、非居住者でも国内ソーシャルレンディングの利用ができる3つの方法を紹介します。
例外的に、海外在住でも口座開設ができるソーシャルレンディング事業者もいくつか存在しますので、参考にしていただければと思います。
目次
ソーシャルレンディング口座の開設条件にある非居住者の定義とは?
そもそも、非居住者の定義って何なの?ってハナシですよね。ソーシャルレンディングのヘルプページを見ても、“国内在住の方”が登録条件だったり、”海外在住の方は登録できません”という文章だけです。
「住民票が国内ならいいのか?」
「3ヶ月の出張でもダメなのか?」
僕自身こんな疑問が浮かびました。調べてみたところ、答えは国税庁のサイトに載っていました。
我が国の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。
注目する文章は、“1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定”の部分です。現時点で1年以上日本に住んでいたら国内在住であり、それ以外は非居住者扱いになるという事です。
つまり、3ヶ月の出張はセーフですが、出張により1年以上日本に住んでいないのであれば、非居住者扱いになりアウトです。さらにわかりやすいのが、下記のページの内容です。
当初1年以上の海外勤務の予定で出国した者は、出国の時から非居住者として取り扱われますが、その勤務期間が1年未満となることが明らかとなった場合には、その明らかになった日以後は居住者となります(出国時に遡及して居住者となることはありません。)。
また、当初1年未満の海外勤務の予定で出国した場合には、出国の時においては居住者として取り扱われますが、その後事情の変更があり海外勤務が1年以上となることが明らかとなった場合には、その明らかとなった日以後は非居住者となります。
まとめると、1年以上海外に居住していれば、住民票などは関係なく非居住者として扱われます。また、最初から1年以上海外に滞在する予定だった場合は、出国の時点で非居住者扱いになるようですね。
逆に、1年未満と解っていた場合でも、海外滞在途中で1年以上になる事が判明したら、判明した日以降が非居住者扱いになります。
例えば、10ヶ月予定の出張の場合、出国した時点では国内居住者扱いです。しかし、8ヶ月目に出張が4ヶ月延長される事になり、合計14ヶ月の出張になりました。
すると非居住者扱いになるのですが、非居住者に切り替わるタイミングは12か月後ではなく、滞在期間の延長が判明した8ヶ月目になります。
注意点として、これらはあくまで国税庁のサイトを元にした見解です。ソーシャルレンディング事業者によっては若干解釈が違う可能性もありますので、「自分の場合はどうなんだろう?」と感じたら、直接問い合わせてみたほうがいいでしょう。
非居住者(海外在住者)が国内ソーシャルレンディングを利用できない理由
非居住者がソーシャルレンディングを利用できないのは規約で決まっているので、投資家が何をしようが覆りません。でも、「なんでダメなのよ?」と思いますよね。答えとしては、脱税を防ぐためと、法律上あいまいな点が多い事が理由のようです。
ソーシャルレンディング自体、まだまだ法整備されてない部分が多いです。投資家が海外で取引すると、課税は国内?海外?というグレーな部分が多いです。インターネット上の取引である事から、判断が難しいのです。
何かトラブルになるくらいなら、最初から禁止してしまおう!という事ですね。国内に在住していたら課税は国内になり、なにも問題はありませんから。
海外在住なら海外のソーシャルレンディングサービスを利用してみる
もし海外在住でソーシャルレンディング投資をしたいのなら、居住している国のサービスを利用するのが一番手っ取り早いです。
例えば、ワンイレブンソーシャルレンディング(111social lending)は、米国にあるワンイレブンキャピタル(111 Capital)が運営するソーシャルレンディングサービスです。
嬉しい事に、居住地に関する制約が一切ありません。つまり、米国に住んでいなくても取引できるんです。
なお、当サイトでは居住地に関する要件は特に設けておりませんので、全世界にお住みの皆さまが本サービスをご利用いただくことが可能です(ただしお住まいの国・地域の法律にてこれらのサービスの利用が制限されている場合にはその限りではありません)。
引用:利用条件と投資までの流れ|111social lending
「ワンイレブン?海外のサービス?怪しそう…」と感じる人もいると思いますが、実はワンイレブンソーシャルレンディングは、マネオ(maneo)と提携しているんです。マネオ内でワンイレブンソーシャルレンディングのファンド案件が募集されたこともあります。
111social lending service セレクトファンド1号|マネオ(maneo)
また、マネオグループのアメリカンファンディングは、ワンイレブンキャピタル(111 Capital)の国内関連会社です。
僕は海外のソーシャルレンディングに詳しいわけではないので、他にも事業者はあると思います。非居住者の方は、国内のソーシャルレンディング事業社にこだわらず、海外の事業者を利用してみるのもいいでしょう。
非居住者(海外在住)が国内ソーシャルレンディングを利用するための3つの方法
非居住者(海外在住)だけど、どうしても国内ソーシャルレンディングサービスを利用したい!という人も多いでしょう。実は、海外在住でも利用できる方法が3つほどあります。
【方法1】国内在住の身内(妻、奥さん)名義の口座で運用する
一番簡単な方法が、国内に住んでいる身内名義で口座を作ってもらい、運用する方法です。国内に住んでいる奥さんの名義で口座開設をするケースが多いですね。でも実はこの方法、借名取引という規約違反行為になります。
下記の記事は証券会社のFAQページですが、当然ながらソーシャルレンディングにも適用されるでしょう。実際に、トラストレンディングのFAQページにも記載があります。
参照:「仮名取引・借名取引」とはどのようなものですか?|SBI証券
借名取引は、本人が名義人に成りすまして行う取引の事を言いますので、違反を回避するためには、完全に奥さんに操作してもらわなければなりません。
誰が投資しているかなんてわからないものですが、海外のIPアドレスからログインが多かったり、投資の手続きをしていたらすぐにバレますよね。
そこで、奥さんに投資を実行してもらう事を前提として、あなたが奥さんに投資のアドバイスをする形にします。本当は奥さんに勉強してもらって、1人で運用してもらうのがいいのですが、投資に興味ない人だと不可能に近いです。
だから、あなたはアドバイザーになり、投資を実行するのは奥さんにします。屁理屈に聞こえるかもしれませんが、これで借名取引を回避できるでしょう。奥さんに成りすましているわけではありませんからね。
注意点として、あなたが独身時代に稼いだ財産を奥さんが運用する場合は贈与になり、金額によっては贈与税もかかります。運用資産の所在については明確にする必要がありますね。
贈与せずに、あなたの資産をそのまま奥さんが管理して取引をする事は借名取引にあたります。また、当然ですが課税されるのは名義人である奥さんです。扶養のこともあれば、稼ぎすぎには注意しましょう。
【方法2】未成年名義の口座で運用する
未成年のお子さんがいる方限定になりますが、クラウドバンクやポケットファンディングで開設できる未成年口座を利用すれば、あなた自身が非居住者(海外在住)であっても、国内ソーシャルレンディングサービスを利用できます。妻名義の取引と違い、借名取引にはまったく抵触しないクリーンな方法です。
注意点は、稼ぎすぎによる課税と扶養についてです。親の資産を子供が運用する形になるので、稼いでいるのは子供です。稼ぎすぎると扶養からはずれる事もありますし、38万円を超えると所得税が発生します。
ソーシャルレンディングの分配金は、一律20%の所得税が差し引かれて振り込まれます。よって、課税対象にならない38万円以下に抑える事で、20%の所得税を取り戻すこともできます。
また、未成年口座の開設には、親権者がすでに口座を開設している事が条件になっています。つまり、少なくとも国内在住の奥さんの存在が必要という事です。
独り身の人にはちょっと厳しい内容ですが、条件に合う人なら利用してみる価値はありますよ。
【方法3】非居住者(海外在住)でも口座開設ができるソーシャルレンディング事業者を選ぶ
実は、国内ソーシャルレンディング事業者でもごく一部は、非居住者(海外在住)でも口座開設ができるんです。
例えば、タテルファンディングは東証一部上場企業の、株式会社タテルが運営するソーシャルレンディングサービスです。2016年4月サービス開始と、まだまだ新しい事業者ではありますが、上場企業が運営するソーシャルレンディングということで、人気は高まっています。
参照:FAQ|タテルファンディング
FAQページにも記載がありますが、2点ほど注意点があります。
- 出資のたびに郵送手続きが必要
- 国内に存在する銀行及び支店の口座が必要
出資のたびに契約書を郵送でやりとりをする必要があり、若干煩わしく感じるかもしれません。また、申込期限がある場合、あまりに遠方の場合は、返送が間に合わないという事も考えられます。
そして、国内に所在する銀行及び支店の口座が必要との事ですが、これは国内で提供されているネットバンクであれば問題ないでしょう。
タテルファンディングは頻繁にファンド案件が募集されるソーシャルレンディングサービスではありません。しかし、非居住者でも利用できる貴重なサービスでもありますので、海外在住者の方は、検討してみてはいかがでしょうか。
その他、リノシーファンディングとFANTAS funding(ファンタスファンディング)も、海外在住で口座開設ができます。2サービスとも2018年開始なのでまだまだ返済実績などはありませんが、これからに期待できる事業者です。
【タテルファンディング】口座開設はこちら
追伸
非居住者(海外在住)が国内ソーシャルレンディングを利用するための方法を紹介しました。一部の事業者を除き、基本的には利用できないと思ってください。利用するなら、国外の事業者しかありません。
アドバイスをして家族に運用してもらう場合でも、リスクがゼロというわけではありませんし、何より面倒です。それなら、最初から国外のサービスや、非居住者でも利用ができる国内のソーシャルレンディングサービスを利用する方が賢明ですよ。
ソシャレンの事業者選びに困ったら...
ソーシャルレンディングの事業者選びに困ったら、下記の記事を参考にしてください。初心者の方は、おすすめの事業者ランキングの記事がきっと参考になりますよ。
また、すでに口座を作る事業者が決まっている場合は、キャンペーンを適用したりポイントサイトを経由することで、キャッシュバックを受けられる場合があります。
せっかくのお得な情報も知らなければ損をするだけです。少しでもオトクに口座を開設して、かしこく資産を増やしましょう!